用語集

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ここにこの文章についてのメモとか参考とか注釈とか




第壱話

【蝋色塗/ロイロヌリ】
拵えの一種。刀の鞘の塗り方。

【下緒/サゲオ】
刀を腰に差した際、刀が抜け落ちないよう帯に絡めて固定する紐。

【浪人結/ロウニンムスビ】
下緒の結び方の一種。刀を飾ったり、刀掛けに掛けたりする際によく用いられる。

【畝組/ウネグミ】
下緒の種類のひとつ。縦方向に織り目が筋立って現れる組み方。

【丘山青】
中国にあるとされる伝説の霊峰の名が青丘山。九尾の狐が住む。一説によると青丘山を統治する主が九尾の狐。


第弐話

【赤銅】
銅と金の合金。黒紫色をしているのが特徴。


第参話

【蠱毒/コドク】
中国で編み出された呪術の一種。壷や箱などに毒虫や百足、蠍、蜘蛛、蛇、蜥蜴、蛙などを集めて閉じ込め、土中に埋め、生き残ったものを使役し、対象を呪うのが一般的。古代にはこの術が余りにも危険だとして、行った者は一族郎党処刑とされた。日本に残る類似のものとしては猫鬼、狗神などがあるが、手法には諸説ある。今回作中では狼を使用している為、総称としての蠱毒を使用した。

【妲己/ダッキ】
古代中国、殷国の皇帝紂王を惑わし、国を滅ぼした絶世の美女。九尾の狐だったと伝えられている。酒池肉林を行った事が有名。

【耶竭陀国/マガダコク】
古代インド西域にあった国の一つ。南天竺。

【華陽夫人】
耶竭陀国の王子班足太子の妃であり、絶世の美女。太子を惑わし国を乱したが、仙道にも通じた医師、耆婆()に正体を見破られ、逃げ去ったという。

【褒/ホウジ】
古代中国、周国の皇帝幽王を惑わし、国を滅ぼした絶世の美女。九尾の狐だったと伝えられている。

【玉藻前/タマモノマエ】
鳥羽上皇に寵愛されたという架空の美女。正体は九尾の狐であり、安倍晴明に正体を見破られ、都を追われる。遂に倒されるという時になって毒を吐く岩、殺生石に化けたという。

※ 妲己、華陽、褒、玉藻が同一の存在であるとする説は江戸時代に成立した。

【妖狐/ヨウコ】
文字通り、妖怪となった狐。五百年を経た狐は尾が二つに別れ、妖狐となる。

【天狐/テンコ】
千年を経た狐は尾が四つに別れ、天を駆けるようになる事から、天狐と呼ばれる。妖狐よりも上級。仙狐。

【空狐/クウコ】
天狐よりも更に上級の狐。神仙に等しい力を持ち、尾は千年毎に一本別れるという。尾の数が九の空狐が最上位で、それ以上はない。

【練丹/レンタン】
霊薬を練る事。また、その霊薬。若しくは、丹田と呼ばれる臍の下に位置する部位を気功で鍛える事。どちらなのかは諸説ありはっきりしていない。

【切羽/セッパ】
鍔を挟んで柄に固定する為の部品。鍔の両側に付ける薄い板金。

【目釘/メクギ】
柄を刀に固定する為の部品。刀本体の柄には目釘穴と呼ばれる穴があり、そこに通して使う。主に竹だが、水牛の角や金属を使ったものもある。

【潤塗/ウルミヌリ】
斑に見える漆塗り。茶潤塗、朱潤塗などがある。


第伍話

【真鍮/シンチュウ】
銅と亜鉛の合金。別名を黄銅。


第漆話

【寒造り/カンヅクリ】
…日本酒の造り方の一種。寒い冬の日に仕込んだものだけを指す。

【貴醸酒/キジョウシュ】
…仕込み水の代わりに酒を用いて造った酒。独特のとろみがあり、美味。高級品。

【綾襷/アヤダスキ】
…着物など和服の袖やたもとが邪魔にならないようにたくしあげて留めておくための紐。