01. 鷹と蠍とドタドタ

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俺の名前は『鷹』。本名ではなくコードネームだ。
とある義を重んじる軍に属しており、恩義を返すべく閣下に仕えている身だ。
今の地位にはとても満足している。閣下のお側で仕えることができるし、給料だっていい。…いいのだが、職場には問題が山ほどあり、その問題の一つが…

「『たか』、つぎのお外でのくんれんいつかな?」

俺のマフラーをちょいちょいと鉤爪で器用に引っ張り、先ほど終わった訓練の次回を楽しみそうに質問する、両手両足が義手義足の少女『蠍』…ではない。子育てと言う未体験の域ではあるが、この子は素直で誠実でとても良い子で問題は何一つ無い。まったく問題ない。

「『空』が原因なんだぞ!反省してるのか!?」
「俺はただ『星』のを応援しようと…」
「この愛馬鹿野郎!そんなんじゃねぇよ!」

本来なら隣の部屋に住む、航空課のトップ3の内2人、リーダーの『星』とワープ使いの『空』が、部屋の主の俺や『蠍』よりも何故か先に居て、俺のベットの上で土足で何やら揉めていることだ。

「『蠍』、ターゲットが泣こうが騒ごうが、無視するように。」
「りょうかい。」
「これより、無断侵入者の尋問を開始する。」
「「待て待て待て!」」