空が回る。 空の色が変わる。真っ青な、雲ひとつ見当たらない快晴。空が空でないような、そんな錯覚。 「ねぇ。」 声がして、空に向けていた目を下へと向ける。こちらに手を差し出す子供がいる。 これは何か持つ、通りすぎるもの。 通してはいい。話は、しない。 「いってきます。」 それだけ言って、子供は通りすぎていった。 残ったのは、空と、門。 それから、