空が回る。
空の色が変わる。黒から青へ、虹色を孕んで。始まりであり、終わりの空。
「ねぇ。」
声がして、空に向けていた目を下へと向ける。真っ白な子供が見上げている。
「入口? それとも、出口?」
辺りに人影はない。通りすぎるものもいない。
これは何も持たない、通せないもの。
通してはいけない。話は、してもいい。
「どちらでもあるし、どちらでもない。」
「何故?」
「一方通行だから。」
それだけ言えば、納得したように子供は戻っていった。
残ったのは、空と、門。