06. 子供




空が回る。

空の色が変わる。黒から青へ、虹色を孕んで。始まりであり、終わりの空。

「ねぇ。」

声がして、空に向けていた目を下へと向ける。真っ白な子供が見上げている。

「入口? それとも、出口?」

辺りに人影はない。通りすぎるものもいない。
これは何も持たない、通せないもの。
通してはいけない。話は、してもいい。

「どちらでもあるし、どちらでもない。」
「何故?」
「一方通行だから。」

それだけ言えば、納得したように子供は戻っていった。
残ったのは、空と、門。