03. 鷹と蠍とぐるぐる



俺は一旦咳払いをし、先程の取り乱していた精神をリセットし『星』と『空』に向き合う。

「貴様等が土足で無断侵入したことなどは、とりあえず許して、話を聴いてやろう。『蠍』の「めっ」に免じて。」
「煩悩リセット出来てねぇよロリコン野郎。」

ー5分後ー

「いやぁ、閣下には劣るのは確かだが、俺は寛大だな。とある若造の愚行を許すなんて。なぁ『星』航空課迎撃部隊長殿?」

俺が問いかけた男は現在、外見は見事な、簀巻き状態だ。本来ならスラッとした7、8等身の自称イケメン(笑)が今は醜い3.5等身だ。

「『たか』がおもしろい形にするって言ってたけど、みの虫さんみたい。かわいい。」

そういって『蠍』は興味深そうに鉤爪でツンツンと突っつき、マフラー製みの虫を揺らす。興味津々に見つめる瞳はキラキラと輝き、大変愛らしく思う。

「そうだろう『蠍』。」

今は天井からつり下げているから思う存分サンドバックにして構わないぞ。揺れると同時に『星』の苦しむ声が漏れる。ざまぁみろ。

「いやぁ、すごかったな『星』。本来なら曲がらない方向に、あんなにあっさり関節が曲がってくの俺初めて見たかもしれねぇや。携帯でムービー撮ったからさ、後で『空』や『水牛』さんに見せようぜ。」
「助けろよ!薄情者め!」

「さて、何故俺の部屋で騒いでいたのか、訳を聞いてやろう。」
「このままッスか『鷹』さん?放置プレーなんスか?」
「ふざけんなロリコン野郎!このマフラー解けテメェ!」
「ロリコンではない、少々過保護なだけだ!」
「ギャー!ギャー!これ以上絞まらねぇよ!」
「自分の技だ。どれだけ絞めれば死ぬか死なないかぐらいわかる。『蠍』これよりみの虫袋叩きの訓練を始める!」
「いえっさー。」
「さあ、叩いて叩いて叩きまくれ!」
「あ、ぁ、イヤーーーーーッ!」