「手っ取り早く、メールで告っちまっていいんじゃねえの?」
携帯依存症こと『空』が「はいはーい!」などと挙手しつつ提案する。それを愚かにも鵜呑みにして『星』は自身のケータイでメールを打ち始めた。
確かに、先程の事件もあるし、顔を合わせるのはいかがと思うが…
「俺と蠍の部屋で作戦会議とは大変いかがと思うのだが…」
「何ムカムカしてんのよ『鷹』ちゃん?アンタも作戦に協力しなさいよね!」
「冗談じゃあない!俺は無関係だ…が……どうしたんだ、『蠍』?」
何故だ?そのショックな顔は…
何故だ?俺から離れるのは…
何故だ?『joker』の素足にすり寄るのは…
そんな野郎共の告白作戦が俺より大事が!?
「『蠍』ちゃんも女の子なのよ?」
「『じょーかー』いってたもん。恋バナはレディのたしなみだって!」
『蠍』正気に戻るんだ。
奴はレディじゃない。
キューピッド衣装からチラチラ覗くナニが動かぬ証拠だ。
「それとも、『鷹』ちゃん。恋愛経験が無いからイライラしてるとかぁ?(笑)」
「ッ失礼な!入団前に人並みにしとるわ!」
何だ、その未経験者を見下すような目は!
俺は(多分)人並みな事はしてる!
「メール書けたぜ!届け、コレが俺様の愛だぁ!」
書き終えると同時に『星』は立ち上がり、携帯を高々と堂々真上に掲げて送信を押した。
「ちょ、おま!メールどんなのか見せてから送れよ!」
「はぁ?何で『空』なんぞに見せなきゃならないのだ!」
「お前のセンスが厨二だから、変なメール送ってないか心配なんだよ!」
「ふん、俺様は文才も優れているからな、良いだろう、聞いてろよ野郎共。コレが俺様の神がかった文才だ!」
「うわぁ…」