05. 鷹と初音と閣下とパートナー



「大変、申し訳ございませんでした。」
「・・・わかればいい。」
「流石『初音』だぜ、早速上下関係の明白化完璧。」

トラウマ植え付けも完璧だがな。

「・・・それは良かったな。」

なぜ、コッチをみてニヤリと笑いやがった?!

「・・・望みなら、マスクをとってやろうか?」
「あー。『鷹』ぁ、気をつけろよ?時々『初音』のやつ読心術使うから。」

待て・・・

「・・・チートすぎてすまんな。」
「先まで読まんでも良い!」

油断も隙もあったものではないな。幹部は非常識な奴ばかりなのか!

「『初音』判子はまだか?」
「・・・待たせたな、コレだ閣下。」
「あ、閣下ぁ、ハロ〜。」

閣下にも躊躇わずタメ口聞くし・・・って!

「かかか閣下!失礼しています!本日より配属された『鷹』と申します!」
「お主が『鷹』か。『初音』の情報では、数々の利益を上げ、業績優秀と聞いている。よろしく頼むぞ、我の為にしっかりと仕えるように。」
「はい。」

ああ、あの頃より大分歳を召されたようだ
しかし変わらず凛々しく、寛大な御仁だ。
ああ、しっかりと纏われてはいないが、白を基調とした軍服が白銀の御髪に合い眩しい。
目を合わせることすらできないないぐらい素晴らしい御仁だ。
顔を上げ閣下のお顔をよく拝見したいのに、今絶対自分の顔が真っ赤だ。
火が出るんじゃないかと思うぐらい熱い。
何だ?
この、胸の動悸は、ドキドキと煩いな。
閣下の凛々しくも荘厳なお声を聞くのにジャマではないか!

「・・・お前は、恋する乙女か。」
「だっ、黙れ『初音』!また俺の心を読んだな!」
「静かにせんか。たったさっき『蠍』が眠ったばかりだというのに。」
「申し訳ございません閣下。」

しかし俺のパートナーになる予定の『蠍』が眠っているとは、どういうことなのだろうか。

「閣下、俺のパートナーとなる『蠍』は、なぜ眠りに?」
「ああ、お昼寝タイムだ。」

お、お昼寝タイムゥゥゥゥ!?

いや待て。切れ者の閣下の頭がボケたはずがない、そうだ、きっとこれは何かの作戦名なのかもしれない。常にこの世の秩序と平和を願う閣下のことだ、きっと平和的な作戦名でもきっと素晴らしい作戦に違いない。

「『鷹』お前も「蠍」の愛くるしい寝顔を見に来ないか?」

きっと作戦の進行状況を見せてくださるんだああああああああああああああああああああ(ry


俺としたことが、閣下の手前、うかれてしまうとは、訓練が足りないのだな、きっとそうだ。うん、そういうことなんだ。執務室の奥には閣下専用の仮眠室があった、ベッドの毛布には小さな膨らみ、毛布の端から茶色のような鼠色のような長い三つ編みが顔をのぞかせている。閣下がそっと毛布をめくると、少女が眠っていた。