04. 肌




空が回る。

雲の色が変わる。鈍い灰色が流れていく。雨でも降るのだろうか。空気が重い。

「ねぇ。」

声がして、空に向けていた目を下へと向ける。真っ白な肌が弾む。

「ここはどこ?」

辺りに人影はない。通りすぎるものもいない。
これは何も持たない、通せないもの。
通してはいけない。話は、してもいい。

「門。」

それだけ言えば、まるで陶器のような肌をほんのりと桃色に染めて、それは戻っていった。
残ったのは、空と、門。